瀧研を希望する学生へ

機械工学学類から瀧研究室を希望する学生へ

瀧先生のTwitter: https://twitter.com/taki_kentaro

瀧研究室に興味を持ってくださりありがとうございます。このページでは皆さんに瀧研究室の紹介をしたいと思います。

瀧研究室は、2014年11月に瀧が金沢大学のテニュア・トラック准教授として着任したときに発足しました。2015年4月からは自然システム学類の4年生が研究室に配属され、研究活動がスタートしています。2019年4月から化学プロセス機械工学研究室として機械工学系に所属しています。瀧研では、2021年4月に初めて機械工学類の学生さんを迎えることになります。とても楽しみにしています。

研究室では、プラスチック成形加工に関する研究をしています。具体的には、3Dプリンタの材料である紫外線硬化樹脂の硬化過程の研究、3Dプリンタのシミュレーションの研究、二軸押出機の流動解析の研究をしています。簡単に言うとこれらの研究テーマは、「プラスチックを作るための機械の研究」です。

機械工学類の学生にとって機械といえば自動車を思い浮かべる人が多いと思いますが、人や物を運ぶための自動車だけが機械ではありませんよね。瀧研究室では、プラスチックを加工する機械の研究をしています。実習でボール盤や旋盤、フライス盤を触ったと思います。これらは金属加工用の機械ですね。瀧研究室では、プラスチック成形加工用の機械を専門に研究しています。自動車部品の約3割がプラスチックで作られています。今、プラスチックの成形加工を理解しているエンジニアが自動車業界を中心に必要とされています。

下の写真は、瀧研究室にある二軸押出機です。実際に製造現場で使われているものと同じ大きさです。

Twin screw extruder (TEM-26SX)

二軸押出機の中では日本のスクリュが回転しながらプラスチックをどろどろに溶かして混練しています。プラスチックは水や空気と違って、粘度が高いので、混ざりにくいです。そのため特別な機械、すなわち二軸押出機が必要です。瀧研究室では、二軸押出機の製造メーカである芝浦機械と共同研究をしています。研究内容は実戦的なものばかりです。

 ところで瀧先生は、金沢大学に来る前は、1年半ほど山形大学にいました。その前は、京都大学で助教をしていました。その前は、京都大学で学生をしていて、さらにその前は、沼津高専という高専で学生をしていました。

高専の時は物質工学、京都大学の時は化学工学、山形大学では機械工学、金沢大学では、2018年まで化学工学、2019年から機械工学に所属しています。そのため化学から機械までいろいろなことを知っています。特にプラスチック成形加工では、化学と機械の両方を知っていると強みになります。瀧研究室では、プラスチック成形加工の初歩的なところからしっかり教えてあげます。

瀧研の卒業生は、自動車部品メーカ、化学メーカ、機械メーカ、IT企業などに就職しています。共同研究先の企業は、機械メーカが2社や、ゴム・プラスチックメーカ3社、IT企業1社です。海外企業が1社です。

これから電気自動車などが普及するにつれて、プラスチックの自動車部品の重要性がどんどんと増していきます。また、新型コロナウイルスの影響で、マスクやフェイスシールドなど身の回りに身を守るためのプラスチック製品があふれています。プラスチックのことを理解している機械系エンジニアが求められています。

瀧研究室に来て、プラスチック成形加工の勉強と研究をしてみませんか?

卒業研究テーマ(予定)

  • 二軸押出機のセンシングシステムの開発
  • 3Dプリンタの造形シミュレータの開発
  • 紫外線硬化樹脂のネットワーク構造の解明

卒研では、3DCADや有限用法ソフトなども使います。

瀧研究室代表 瀧健太郎より


2019年度新4年生の研究テーマについて

研究室紹介の時に配布した資料のPDFはこちらです。

takilabtheme2019

瀧研究室では,3Dプリンターや二軸押出機など,モノづくりを支えるプロセスのデータ解析とシミュレーションシステムの開発をしています。来年度は,下記の研究テーマで新4年生を募集します。詳しく聞きたい人は,瀧までメール(taki@se.kanazawa-u.ac.jp)してください。

瀧研究室では,文献調査,実験技能,データ整理,プレゼンテーションについて実践的な教育をしています。この他に,簡単な数式やプログラミングを利用したデータ解析の勉強会を行います。物理モデル(ホワイトボックス)と機械学習(ブラックボックス)を組み合わせた新たなシミュレーション技術を構築しています。

・テーマ1 ナノリンクル
ナノリンクルフィルムがキンク強化理論に従い強化されるメカニズムの解明
新学術領域の研究テーマで,今後4年間続きます。プラスチックフィルムの強化メカニズムについて全く新しいアプローチで研究していきます。日本中の研究者と議論しながら協力して研究を進めていきます。

・テーマ2 二軸
二軸押出機における繊維破断,ポリマーブレンドの定量評価
瀧研究室が主宰している二軸押出機研究会では二軸押出機内の流動について実験とシミュレーションを行っています。今年度は,昨年までの成果を踏まえて,ガラス繊維の破断,ポリマーブレンドの相模様について押出機の操作条件が及ぼす影響を実験により調べていきます。先輩の学生と共同して実験していきます。様々な企業の人たちと協力しながら進める研究です。

・テーマ3 UV硬化メカニズム
UV硬化樹脂の硬化過程の解析とシミュレーション
瀧研究室が世界に先駆けて発見した酸素阻害が重合促進を引き起こすメカニズムについて高速FT-IRやフォトレオメータを使用した実験により研究します。

テーマ4 3DプリンターNew!

様々な応用が期待されているUVインクジェットプリンタや3Dプリンターにおいて極めて重要な,UV硬化樹脂の液滴の硬化過程を可視化する実験装置を開発します。

研究開発を通じて社会の役に立ちたいという意欲ある学生には, 国内学会, 国際会議での発表の場や様々な分野の人たちと交流する場を提供しています。独創的なプロジェクトを推進するために異分野の人と積極的に交流し世界中どこにでも行けるいつもチャレンジングな学生を歓迎します。

瀧研究室では,データ解析と装置開発のノウハウをコアとして,UV硬化樹脂の硬化過程と二軸押出機の流動解析をしています。とくに最近では3Dプリンターに関するテーマを進めています。研究室に在籍中に身に着けてもらいたいスキルとして,プログラミングを重視しています。そのために,LEGO MINDSTORM EV3を使用した,プログラミングのチュートリアルとコンテストをまず最初に体験してもらいます。こんな感じ(↓)のことをやります。

*瀧研究室では,4年生には大学院の進学を強く勧めていますが,就職希望の学生も歓迎しています。