Research

瀧研究室では,データ解析と装置開発のノウハウをコアとして,紫外線硬化樹脂の硬化過程と二軸押出機の流動解析をしています。

とくに最近では,紫外線硬化樹脂では3Dプリンターに関するテーマを進めています。また,多くの民間企業と共同研究をしているため,就職してからも役に立つ実践的なスキルが身につきます。

また,自然界の真理に迫るサイエンスの研究も続けています。例えば,複雑ネットワークに関する研究です。インターネットやSNS,鉄道網など我々の暮らしには様々なネットワークがあります。我々の研究室では,ミクロなネットワークを作って,その特徴を調べています。

どのようにネットワークを作るかというと,紫外線を樹脂に充てて架橋反応を起こすのです。架橋反応でできたネットワークは,解析や分析がとても難しく,新しい方法の研究が求めらています。瀧研究室では,このようなネットワークの解析方法を研究し,その成果を世の中に存在する様々な複雑ネットワークに応用していこうと考えています。

研究室に在籍中に身に着けてもらいたいスキルとして,プログラミングを重視しています。そのために,LEGO MINDSTORM EV3を使用した,プログラミングのチュートリアルとコンテストをまず最初に体験してもらいます。こんな感じ(↓)のことをやります。

 

・2018年度4年生向け研究テーマは次の通りです。

  1.  紫外線硬化樹脂の硬化過程に関する複雑ネットワークの研究
  2.  紫外線硬化樹脂のゲル化現象に関する複雑ネットワークの研究
  3.  ナノサイズの皺(しわ)ができたフィルムの作製法と光学的な機能
  4.  高速通信用の多孔ポリイミドフィルムの作製
  5.  機械学習による二軸押出機の運転支援システムの研究

*瀧研究室では,4年生には大学院の進学を勧めていますが,就職希望の学生も歓迎しています。4年生,修士,ドクターで習得できるスキルを表にしてみました。

学類生 修士 博士
実験
学会発表
学術論文執筆
海外での発表
ゼロベースの

研究テーマ立案

くいっぱぐれないスキル
生涯年収

 

修士進学のすすめ

卒業研究では,一つのテーマを集中的に研究します。といってもボスの指示通りにやれば,だいたいデータが出て,なんとなく卒論が書けます。卒論は,一連の研究プロセスを1年かけて勉強する機会です。研究リーダーは多くの場合ボスです。

しかし,修士論文は,ボスもよくわかっていないことにトライします。研究リーダーはあなた(学生)になります。自分が何をすれば研究が進むのか,自分で考えて行動する能力を獲得していきます。

 

博士進学のすすめ

修士では研究テーマは1つです。博士課程では,修士で経験した研究サイクルを2から3回繰り返します。研究成果は,査読付きの学術雑誌に英語で投稿します。研究を立案し,実験や解析を行い,まとめて英語で論文を書き,新たな研究を立案していきます。

 


 

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プラスチックは金属と比べて柔軟性があり、軽く、安価であるため、われわれの身の回りにはたくさんのプラスチック製品が使われています。プラスチック製品を製造する民間企業は日本に2,450社(売上高5億円以上、(株)SPIインフォメーション調べ)あり、これらの会社は自動車や家電製品、日用品などのサプライチェーンを担っており、大変すそ野の広い産業分野です。日本国内の経済規模はおよそ4兆円(経済産業省調べ)です。

プラスチック製品を作る技術をプラスチック成形加工(技術)といいます。私はこのプラスチック成形加工という技術分野を化学プラントの設計・運転・保守のために体系化された化学工学の知識を活かして研究しています。化学工学では、化学反応、物質の流れ、熱の伝わりなどを体系的に扱い、数学モデルを構築し、実験とシミュレーションにより、プラントの挙動を予測したり、稼働中のプラントのトラブルを解決したりして、経済合理性にかなった設計・運転・保守を可能にしています。

私はこの化学工学の手法をプラスチック成形加工に展開し、成形現場でプラスチック(樹脂)を重合しながら成形する現場重合の一分野として紫外線(UV)硬化樹脂の硬化過程の解析と様々なアプリケーションをプロセスエンジニアリングの観点から研究しています。

例えば、UV硬化型のロールツーロールナノインプリント、紫外線を使った新規多孔ポリイミドの作製法とフレキシブル低誘電率膜への応用、UV硬化型の3Dプリンタの解析、爪に塗るUV硬化樹脂であるジェルネイルの安全性評価などを研究しています。また、二軸押出機による樹脂の改質やコンパウンディングに紫外線で分解する開始剤を使い、これまでにない機能樹脂の開発やサイクリックオリゴマーの開環重合などによる繊維強化プラスチックの開発も行っています。

基礎研究では、液体のモノマーが重合して固体になる硬化過程の速度論的な解析をリアルタイムFT-IR(フーリエ変換型赤外分光法)や粘弾性測定装置を駆使して、UV硬化により生成する三次元網目構造の数マクロメートルスケールの密度ゆらぎが硬化物の物性や、相分離(発泡)速度に与える影響を研究しています。これを発展させると、石炭中からのコークスの生成過程、火山の噴火、分岐プラスチックの発泡成形、パンやスポンジケーキの製造過程などの発泡現象を体系的に理解できるようになります。

基礎研究からアプリケーションまで、高分子と光(紫外線)を基軸に付加価値の高いプラスチック成形加工の新たな地平を切り開いています。